ジャンクリストフ

剛先生

2013年01月04日 22:41

新年おめでとう。今年もがんばるぞ。

新年に際して、あなたたちに贈りたい言葉があります。

これは、ロマン・ローランの書いた

ジャンクリストフという小説の一節です。

この小説はベートーヴェンの人生を、

そのモデルにして描いたものだといわれています。

主人公のジャンクリストフが、

人生に悲嘆して、酒ばかり飲んで、

自堕落になっていたとき、

叔父さんのゴットフリートが、

まるで歌うように彼に諭す言葉です。

「明けて来る新しい日に対して、敬虔な心をお持ち!

1年の後、10年の後、どうなっているか考えるのはやめるがいい。

今日というこの日のことを考えるがいい。

理屈はみんな、まず差し置いてしまうがいい。

いいかい、みんなだよ。馬鹿げているよ。

悪い結果を持ってくるよ。

人生に無理な力を加えてはいけないよ。

今日を生きることだよ。

その日、その日に対して敬虔でおあり。

その日、その日を愛して、尊敬して、

何よりもその日その日をしぼませないことだよ。――-」


「それだけでは少なすぎます」とクリストフは言った。

ゴットフリートは親しみ深い笑い声を立てた――

「それは誰にも出来ないほど多くのことを望むことなんだ。

お前は傲慢だね。お前は英雄になりたがっているんだ

―― 英雄とは自分のできることをする人なんだろう――」

―――

「・・・そうだ・・・とにかく・・・それだけでも十分だ」

こうしてクリストフは、

その日、その日を精一杯生きるのだと決心するのです。

明日のことなど考えずに、

その日、その日が花咲くように生きればいいのだ、

それだけで十分だと考えるのです。

本当に、その日、一日を大切に生きれば、

1年の後には、あなたたちの夢にたどり着いています。

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