賢く生きる ② 大黒屋光太夫
大黒屋光太夫といっても、日本史に詳しい人
にしか知られていないかもしれません。
江戸幕府の鎖国時代に、伊勢半島から船出して、
ひどい嵐に会い、7ヶ月も太平洋を漂流して、
カムチャッカ半島から、何百キロも離れた、
孤島に漂着、ロシア人の好意で、あの広大な
シベリアの平原を往復して、10年の歳月をかけて、
日本に帰国しました。日本に帰りついたのは初め
17名だった乗組員のうちたった2名だけでした。
光太夫とその乗組員の苦難の旅は、私たちの想像
をはるかに超えるものでした。まず、言葉が全く
わからない、その上、寒さが言葉に出来ないほど
厳しく、仲間の中には、凍傷で足を切り落とさ
なくてはならなくなった人もいました。
彼が、無事に生きて帰国することが出来たのは
本当に奇跡的なことでした。
でも、光太夫の知恵と人間性もまた、この奇跡を
成せた大きな要因であったのです。(つづく)
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