賢く生きる ② 大黒屋光太夫

剛先生

2012年09月12日 12:26

大黒屋光太夫といっても、日本史に詳しい人

にしか知られていないかもしれません。

江戸幕府の鎖国時代に、伊勢半島から船出して、

ひどい嵐に会い、7ヶ月も太平洋を漂流して、

カムチャッカ半島から、何百キロも離れた、

孤島に漂着、ロシア人の好意で、あの広大な

シベリアの平原を往復して、10年の歳月をかけて、

日本に帰国しました。日本に帰りついたのは初め

17名だった乗組員のうちたった2名だけでした。

光太夫とその乗組員の苦難の旅は、私たちの想像

をはるかに超えるものでした。まず、言葉が全く

わからない、その上、寒さが言葉に出来ないほど

厳しく、仲間の中には、凍傷で足を切り落とさ

なくてはならなくなった人もいました。

彼が、無事に生きて帰国することが出来たのは

本当に奇跡的なことでした。

でも、光太夫の知恵と人間性もまた、この奇跡を

成せた大きな要因であったのです。(つづく)

関連記事