鳥居 強右衛門 ⑤
家康に休むようにとねぎらいの言葉かけて
もらったのですが、強右衛門は「城では、
みなが私の首尾を待ちかねております。
御味方が明日にも出立することを知らせ
とうございます」といって、深々と頭を下げました。
家康は「もしこのまま返せば、武田方に
つかまったりもするだろうし、命も保障
しかねるかも知れぬ」と思いましたが、強右衛門
の決意を見ると、これ以上止めても無駄
であろうと思い直して、「では、くれぐれ
も気をつけるように」と諭して、強右衛門
を出立を見送ったのでした。
徳川、織田軍は、翌日には予定どうりに、
長篠城に向けて出立と決まりました。
この知らせを仲間に早く知らせようと、
長篠城へと取って返した強右衛門は、
往復130キロの道を、一睡もせずに、一日半
で駆け抜けたのでした。
ところが、長篠城の近くまで来た強右衛門は、
武田軍に捕まってしまいます。
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