鳥居 強右衛門(すねえもん) ①
福岡県と大分県の間を流れる山国川が、
豊前海に注ぐ河口に近いところに立つ、
中津城に、奥平家の神社があります。
その、神社の内殿の正面に、以前のこと
ですが、十字架にかけられた裸の男の絵が
ありました。
粗末な紙に描かれたその男の姿は、ふんどし
一枚で、髪はザンバラ。
どうして、こんな姿の男の絵を、神社の正面に
かけているのかと不思議に思ったものでした。
そして、奥平家の歴史を知るにつけて、
この人物を、神として大切に伝えた奥平家の
人々の思いを知ったのでした。
彼は、奥平家の家臣、鳥居強右衛門といい、
奥平の人々にとって、神にもまさる
恩人として、長く語り伝えられるべき人物
でした。
強右衛門の話をするとき、その自己犠牲の
男の心情を思うと、いつも胸に迫るもの
があります。
中津に生まれた人物ではありませんが、
縁あって、中津城の城主となった奥平家
に伝わる鳥居強右衛門の話を是非聞いてください。
つづく
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