ランの話 ⑤ ランの小祝通い
⑤ランがある初夏の頃、ランニング姿にサンダル履きで、
ぬれたままで帰ってきたことがありました。
手には、ずっしりと水のしたたる袋を持っていました。
小祝に行って来たというのです。
それは、ランが中津に来て3ヶ月目の頃でした。
袋の中にはアサリ貝がぎっしり。
小祝で何をしていたのかと問うと、
「漁師さんにわかめの作り方を習ってきた」というのです。
そう言えば、彼の日本語がえらく上達していることに
気がつきました。彼は、持ち前の明るさで、英語の全く
話せない漁師と、日本語でコミニュケーションして、
中津弁交じりの日本語を上手に操れるように
なっていました。それから毎日、暇があれば
小祝に行って、貝やわかめをお土産にして帰ってきました。
そして、彼は毎日付き合ってくれた、
漁師の一人と仲良くなっていました。
彼とは、生涯の友達として付き合ったようです。
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