ランの話 ①
このリトルアメリカを中津で始めた頃の
ことをお話しましょう。
まず英語の塾を開くに当たって、生徒に
本当の英語に触れる機会を作りたいと、外国人の
先生を探しました。今のように、外人も多くは
なくて、まして、こんな田舎の町に来てくれる
人は皆無でした。
色々手を尽くした結果、一人の外国人が来ても
いいと言ってくれたので、喜んで待っていました。
ある朝、彼がやってきました。名前はラン・レビ。
イスラエルの人でした。現れた彼の姿は今も、はっきりと
覚えています。まず、全身白いだぶだぶな服を着ていて、
髪と顔が、サッカー選手のラモスにそっくりでした。
おまけにたっぷりと髭まで生やしていて、これはうまく
行くのかしらいう思いでした。
暗い顔をして、話も弾まなかったのを思い出します。
しかし、とりあえず、彼は、リトルで働いてくれること
になりました。
つづく
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