自分の中に奇跡を起こせ。本まーちゃん ①
リトルアメリカから、たくさんの卒業生が巣立って行きました。
特に初期のころは、伝説的人物が多くて、それぞれ
素晴らしい物語になりそうです。
その中でも、一番に思い出すのが本まーちゃんです。
いまから、10年以上も前のことです。
ある日、お母さんが一人の男の子を連れてきました。
母親のそばに座った彼は、さも迷惑そうに母親に
つれてこられただけで、勉強の話には何の興味も
ないという様子でした。お母さんも困った顔をして、
「先生、この子を勉強する気にして頂いたら、
奇跡です。よろしくお願いします」と言って
帰られました。彼は、高校受験にも2度失敗した
という経歴もありなかなかのつわものでした。
入会して二年が過ぎても、勉強にいっさい関心を
示しません。「そろそろ勉強始めたら」と誘っても、
にんまり笑っているばかりです。
けれど、不思議と、他の生徒が学校のテストで
休むような時にもクラスは休みません。
しかし、英語も、訳すと主語が2つあったり、てにをは
が混乱したりしていて、全く日本語になっていないという
ものでした。まあ、このまま、卒業してゆくのかと思って
いたある日、本まーちゃんが、「浪人します」と言ってきたのです。
つづく
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